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「ベストセラーはもういらない」 秦隆司著 ボイジャー [マスメディア]


ベストセラーはもういらない

ベストセラーはもういらない

  • 作者: 秦隆司
  • 出版社/メーカー: ボイジャー
  • 発売日: 2018/12/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


アメリカの出版システム,その課題・問題、出版をめぐる状況、作家たちの活動など知ることができる

本書は、「電子本とオンデマンド本だけを出版するORブックスという出版社を作ったジョン・オークス」へのインタビューを軸に展開する。アメリカの出版システムのこと(リテラリー・エージェント、ディストリビューター、インプリントなど)が示される。また、その課題・問題、出版をめぐる状況、作家たちの活動など知ることができる。

さらにジョン・オークスが「ニューヨーク・タイムズ」紙の社主(アドルフ・オックス)のファミリーメンバーで「オックス/サルツバーガー家」に連なる人物であることから、その歴史も示される。関連して、ジョセフ・ピューリッツァーやウィリアムズ・ランドルフ・ハーストのことも示される。

またさらに、ジョンが、アメリカで「サミュエル・ベケットやウィリアム・バロウズ、大江健三郎などの作品を出版してきたグローブ・プレス(現在はグローブ・アトランティックのインプリント)の元編集者」であった関係で、「伝説のグローブ・プレス」の社主バーニー・ロセットのこと、その無修正版『チャタレイ』の著作権をめぐる「出版人アルフレッド・クノッフとの戦い」など示され興味深い。

著者は「この本をとおして、読者の方々に作り手から見た新聞・出版の世界とニューヨークの街を少しでも近い存在に感じて頂けたら幸いだ。(「はじめに」)」と記している。本書は、ソフトカバーの本にしては価額が高いが、本書をとおしてニューヨークの風にあたることができる。インタビューには元手がかかっている。そのことを考えると安いともいえる。

「目次(章立て)」は以下のとおり・・・ はじめに 第1章:チェルシーの朝 第2章:ニューヨークが呼んでいる 第3章:グレート・ジャーナリズム 第4章:パリの異邦人 第5章:伝説のグローブ・プレス 第6章:返本のない出版社 第7章:ORブックスの誕生と成長 あとがき 参考文献

2019年2月22日にレビュー

アメリカン・エディターズ—アメリカの編集者たちが語る出版界の話— eブックジャム

アメリカン・エディターズ—アメリカの編集者たちが語る出版界の話— eブックジャム

  • 出版社/メーカー: 株式会社ボイジャー
  • 発売日: 2012/05/28
  • メディア: Kindle版



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