〈教養としての「ローマ史」の読み方〉 本村 凌二著 PHP研究所 [世界史]
評判どおりオモシロイ
エドワード・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』や塩野七海さんの『ローマ人の物語』を読みたいと思いつつ、まだ手を染めていない。なにしろローマ帝国の歴史と同じく、それらの物語もたいへん長い。
本書は、その長い歴史・物語を読み解く助けとなるにちがいない。「こうしたことをきちんと知っておくことが、ローマ史はもちろん、古代史を理解する上ではとても大切なことだとわたしは思います。」、「・・・ということが、ローマの特筆すべき特徴なのです」といった記述がある。本書のタイトルに「読み方」とあるとおりである。まさしく、長大なローマを読み解く「読み方」が示されていて、それを知ると知らないとでは、解けるものも解けなくなるにちがいない。
評者の関心は、イエス・キリストが生きた時代、その弟子たちの時代、ユダヤをその支配下においていたローマ帝国の気風とはいかなるものであったのか、ローマ人はどんな精神の持ち主であったのか、というところにある。そうした観点からいっても、ナルホドと思わせる情報が提供されている。
「佐藤優氏推薦!」はダテではないし、佐藤氏のみならず推薦に値する書籍であるように思う。
2018年6月19日にレビュー
ローマ人の物語 全17冊セット (全15巻+「ローマ亡き後の地中海世界」上・下巻2冊)
- 作者: 塩野 七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- メディア: 単行本