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『デッサンの55の秘訣』作者: バート・ドッドソン マール社 [アート]


デッサンの55の秘訣

デッサンの55の秘訣

  • 作者: バート・ドッドソン
  • 出版社/メーカー: マール社
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: 単行本


“見ているようで見ていない”を脱するために

これまで絵画・彫刻など美術作品を見ることはあっても、みずから製作することを考えることはなかった。それでも、あるモノを描いて正確にカタチを写し、奥行きや陰影、量感、質感を示す能力と人間の認知能力は深く関係しているような話を読んで、デッサンする力を得たく思った。それがないと、実際のところ“見ているようで見ていない”ということになるらしい。それで、なにか手引きはないかと『スケッチは3分』(光文社新書)など入手した。それはそれでいいのだが、もっと技術をおしえてくれるものとして本書を手にした。こちらは、いわば「専門書」である。文字がちいさいので、すこし読むのに難儀するが、理屈がらみで技術を磨いていきたい方には、課題をこなしながら、一歩ずつ手引きを受ける感があり、良いのではないかと思う。

以下、その理屈がらみのところを引用してみる。〈デッサンでぶつかる厚い壁の一つは、自分の視覚が正しいとは思えないのに、その気持ちをこらえて描くこと。自分の手を指先から見て描くと、よくそんな葛藤にとらわれます。「知識」の中では、手には指がつき、指にはある一定の長さがなければならず、そうならない場合、たとえば指先から見た手は「正しく見えない」のです。期待した象徴的な手と合わない!どんなふうに見えるとしても、自分の視覚に忠実になるには努力がいります。アーティストをめざすなら、この努力を続けることが必要です。 // 課題1-Bができたら、しばらくそれをよく見てください。いかにも手らしく見えたら、手をちょうど目の高さに合わせていたか、視覚に従っていたか(であれば、あなたは優秀なデッサン画家です)。もし指がかなり長ければ、手を傾けすぎたか、視覚より知識に頼って描いたせいでしょう。いずれにしろ「視覚対知識」の葛藤をしそこなっているので、やり直しです。(第1章 デッサンのプロセス 「視覚 対 知識」-葛藤)p17)〉

2018年4月7日にレビュー

ダ・ビンチの素描と鏡文字(小佐野重利著「絵画は眼でなく脳で見る」から)
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2022-09-02

スケッチは3分 (光文社新書)

スケッチは3分 (光文社新書)

  • 作者: 山田 雅夫
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/11/16
  • メディア: 新書



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