『大人が読みたいエジソンの話 発明王にはネタ本があった! ?』石川 憲二著 日刊工業新聞社 [自伝・伝記]
大人が読みたいエジソンの話 発明王にはネタ本があった! ? (B&Tブックス)
- 作者: 石川 憲二
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: 単行本
エジソン伝の「裏」(ホントウのところ)を知ることができ、誰かとエジソンのことを話すときのネタとして十分に過ぎる
子どもたちにもよく知られる「偉人」のひとりエジソン。しかし、流布されている伝記の記述には、ちょっと考えると、そのまま信じることの難しいものもある。著者はソコに突っ込みを入れる。そして、ホントウのところを示していく。そのツッコミの入れ方が軽快で、たのしい。記述されている中には、エジソン自身・本人が明らかにしたものを伝記作者がそのまま受け入れて記したものもあるという。発明家であると同時に企業家でもあったエジソンには、ときに宣伝も必要であったのだ。
著者が本書を書いたきっかけについては、一冊の本が関係している。「子供時代にたくさんの本を読んだ(読まされた)エジソンだが、当時の彼がもっとも興味をもち、大きな影響を受けたのがリチャード・グリーン・パーカーという著者の科学入門書『A School of Natural and Experimental Philsophy』(以下、『自然と実験の哲学』とする)であることは多くの資料が記している。ところが、それほど重要な1冊でありながら、これまで詳しく解説されることはなかった。このため、エジソンの生涯を探るうえでミッシングリングのような存在になっていたのである」。筆者は、その本を入手し苦労して読み進める。そして、「あの発明はここからヒントを得たんだ!」と思える箇所を次々と見つける。「発明王の人生の設計図を盗み見ているような気分にすらなる。
本書は、厚さ1センチに満たない本ではあるが、著者のそうした興奮が伝わってくる内容で、エジソン伝の「裏」(ホントウのところ)も知ることができ、誰かとエジソンのことを話すときのネタとして十分に過ぎる。
。
2017年5月29日にレビュー
*********
〈以下は、著者が「次の3冊は、比較的、信頼できると判断したので(ただし、すべての情報が正確だとは限らない)、基礎資料として重宝させていただき、文中でも何度か引用している」本〉
エジソン―電気の時代の幕を開ける (オックスフォード 科学の肖像)
- 作者: ジーン アデア
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本