"「大人ことば」で穏やかに話す" 山崎 朋子著 日本法令 [日本語・国語学]
ビジネス、プライベートで、「大人ことば」は有効
人間関係に潤いをもたらす会話の方式=「大人の言葉づかい」。それを踏まえた言い回し=「大人ことば」と著者はいう。
ビジネスや日常の場面でのいかにもありそうな例がとりあげられる。会話やメールのやりとりの中での言葉・言い回しの誤用が指摘、正され、解説が加えられていく。なかには、たいへん切実で誰もが知りたいのではないかと思われる例もある。『上階の騒音への抗議』からは、挨拶する程度の知り合いで、のちのちの生活にもからんできそうな人との扱いにくい問題を、良好な関係を維持しつつ解決していく上で、「大人ことば」が有効であることが示される。他には、『年下リーダーへの依頼』、『重要顧客の接待』、『目上の方のご自宅を訪問』、『被災地の仕事関係者との交信』、『初めてのお茶会に招かれて』という場面が取り上げられる。自分は、すでに社会人として十分「大人」であると思う方にとっても、新たな気付きがあることと思う。
著者は歌舞伎に造詣が深く、歌舞伎演目を取り上げつつ「察すること」「分をわきまえること」について記す。たいへんな愛好家であることが伝わってくる文章で、読み物としてもたのしい。
2016年11月22日にレビュー
目次
序 大人の言葉づかいが必要とされる時代
「大人の関係」を築くための「大人の言葉づかい」
大人に求められる語彙力
乱暴表現では会話は成り立たない
コミュニケーションには最低限の礼儀が必要
ようこそ、「大人ことば」の世界へ
破 「大人ことば」への転換法
初級編 中級編 上級編
(上記、事例が、ビジネスシーン、プライベートシーン 全6例)
急 スマートに話す技術
「察する」ことが大人の作法
「分をわきまえる」と美しい
説得力は正確な言葉に宿る
言葉づかいは「心づかい」
付録 私的解釈「大人ことば」用例集
「ことば」は「こころ」―もっと「日本語」が上手になりたい人へ (講談社ニューハードカバー)
- 作者: 外山 滋比古
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/03
- メディア: 単行本