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『佐藤優外伝 (紙の爆弾2009年10月号別冊)』山本 信二著 [自伝・伝記]


佐藤優外伝  (紙の爆弾2009年10月号別冊 ) [雑誌]

佐藤優外伝 (紙の爆弾2009年10月号別冊 ) [雑誌]

  • 作者: 山本 信二
  • 出版社/メーカー: 鹿砦社
  • 発売日: 2018/09/30
  • メディア: Kindle版


佐藤氏のイメージが評者のなかで確定した。

佐藤優氏の同志社大学・神学部時代の姿を知ることができます。『紙の爆弾』の出版社発行ですから、佐藤氏のメンツを傷つけ、全身にドロを浴びせかけるような内容です。ですが、基本的なところではリスペクトがあり、事実・関係を追おうとする意欲に根差していますので、読むに堪えないものではありません。

佐藤氏は若いころから、知識欲旺盛であり、また自分を取り巻く環境をコントロールしようとする熱意のすさまじい人物であったことが分かります。著者は、言わば、それに翻弄させられ辟易して逃げ出したようなものでしょう。ですが、そこにはリスペクトが感じられます。羨望と言っていいかもしれません。

本書をとおし、新島襄によって創立された同志社の精神とは何か、その神学部の社会的役割を知ることができました。また、佐藤氏在学中に、そこで演じられた「コップの中の嵐」(学生運動)について知ることもできました。佐藤優氏は暴力学生であると同時にうまく立ち回っては学内政治を動かしていました。教授たちにも影響を与えていた様子が示されます。

本書を読んで評者の佐藤氏へのイメージが確定しました。似たモノをあげるとすれば、(分かる人は分かると思いますが)勝新太郎主演の映画『兵隊やくざ』です。映画のなかでは、田村高廣演じる有田上等兵が登場します。幹部候補試験をわざと落第したインテリです。勝新演じる大宮の指導係となった有田は大宮をいさめたりしますが、大宮同様、その精神はやくざです。佐藤氏は、「兵隊やくざ」大宮と有田上等兵を一人で兼ねているかに感じます。要するに、佐藤氏は、知的やくざなのでしょう。そこがまた、氏の魅力と言えるかもしれません。キリスト者は、イエス・キリスト同様、本来アウトサイダーであり、この世に対して言わば「やくざ」ですので、”その生きざま・様態としては”、キリスト者の本道を佐藤氏は行っていると言えます。御託を並べました。失礼いたしました。

2020年5月11日にレビュー

兵隊やくざ DVD-BOX 上巻

兵隊やくざ DVD-BOX 上巻

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: DVD


以下は、佐藤優氏本人による自伝のような本

人をつくる読書術 (青春新書インテリジェンス)

人をつくる読書術 (青春新書インテリジェンス)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2019/02/02
  • メディア: 新書


https://kankyodou.blog.ss-blog.jp/2019-04-06

さらに、オマケ。南方熊楠の外伝。

くまぐす外伝 (ちくま文庫)

くまぐす外伝 (ちくま文庫)

  • 作者: 平野 威馬雄
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2020/07/30
  • メディア: 文庫



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