SSブログ

「世界から消えゆく場所」 日経ナショナルジオグラフィック社 [外交・国際関係]


世界から消えゆく場所 万里の長城からグレート・バリア・リーフまで

世界から消えゆく場所 万里の長城からグレート・バリア・リーフまで

  • 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
  • 発売日: 2020/02/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


知らないうちに、消えていく

知らないうちに、いつの間にか、こんなにも増えていたのだと驚いたものに原子力発電所がある。本書に示されたのは、その逆である。知らないうちに、いつの間にか、消え去ろうとする場所、地域、自然・・・が、同じく住まいするこの地球上にアルという事実だ。

本書は、「古代の都市」「忘れ去られた土地」「縮みゆく場所」「消滅寸前の場所」という4つにカテゴリー分けされ、37の都市、土地、場所が示されている。記事の長さはまちまちで、単に知識情報の提供にとどまるようなものから、ストーリー性に富む比較的ながい記事もある。ナショナルジオグラフィックらしい写真・地図が多数掲載されてもいる。

いずれにしろ評者の知るのは、そのうちのほんのわずかで、モヘンジョ・ダロ、アレクサンドリア、ドナウ川、死海、ベネチア、グレート・バリア・リーフ、万里の長城、ツバルといったところだ。それ以外は、仮に消え去っても、もとより知識が無いので、まったく知らず終わったはずだ。表現を変えれば、消えても消えなくてもどうということなく過ごしていたことになる。しかし、それで本当にイイのだろうか?自分の居住する地球上で生じていることなのである。

日本に関しては「エサンベ鼻北小島」が立項されている。「2018年、あるライターが取材で訪れたところ、島は跡形もなく消え去っていた」とリード部に記され、比較的最近の情報がでている。ツバルに関しては、「2018年、オークランド大学の研究チーム」の論文にある「ツバルの環礁は縮小するどころか、全体的に陸地を獲得しつつあると発表」と記されてもいる。

個々の記事を読み、写真を見つつ、宇宙船地球号の将来を真剣に考えさせられた。

2020年3月25日にレビュー

古代史マップ 世界を変えた帝国と文明の興亡 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)

古代史マップ 世界を変えた帝国と文明の興亡 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)

  • 出版社/メーカー: 日経ナショナル ジオグラフィック社
  • 発売日: 2019/02/05
  • メディア: Kindle版



nice!(1) 
共通テーマ:

nice! 1