『肩甲骨が立てば、パフォーマンスは上がる!』 高岡英夫著 カンゼン [医学・健康]
「野生動物のような肩甲骨の状態」を、“誰もが”持ちうることを明らかにした本
大谷翔平選手や石川遼選手の肩まわりの柔らかさ、肩甲骨の可動域の大きさに驚愕して、そのパフォーマンスの高さと肩甲骨の可動域とが関係していると考える方は多いはず。
ウソ!?大谷翔平の肩が柔らか過ぎてありえない方向に
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しかし、うっかりマネをするとカラダを傷めたり、似た動きができたにしても、パフォーマンスを上げるどころか、下げてしまいかねない。
本書は、「人間は肩甲骨を自由自在に動かせるように生まれてきた」と主張する「運動科学総合研究所」の高岡英夫氏が『立甲』という「野生動物のような肩甲骨の状態」を、“誰もが”持ちうることを明らかにした本だ。
著者は、表紙写真に示された「肩甲骨の状態」を、ただマネルようにと勧めるのではなく、肩甲骨を科学していく。カラダ全体における肩甲骨の意義・機能を理解したうえで、たいへん基礎的な“誰でも”出来るところから、『立甲』状態に至るよう助けてくれる。
これまで高岡氏の著作に親しんできた方にとっては、氏の提唱するディレクトシステムとしての「ベスト」「肩包体」「センター(軸)」、さらには「甲腕一致」「四足」いった内容を、『立甲』との関係からより深く理解する上で助けになる。
以下、陸上競技で重んじられる「腕振り」にかんする記述を抜粋引用してみる。見出しとして「立甲ができていないうちに肩甲骨から腕振りをしても・・・」と題する部分。 〈肩甲骨とその周りの筋肉を腕振りに参加させることは、簡単ではありません。肩甲骨が肋骨にへばりついて、あまり動かすことができない人は、肩甲骨を参加させたくても腕振りに参加させられないのです。 / そうした人に、慌て者のコーチやトレーナーや先輩は、「肩甲骨から動かした方がいいぞ」とついつい指導をしたくなります。 / そうした選手はどうなるかというと、アドバイスにしたがって一所懸命に肩甲骨を動かそうとし、その結果、肩甲骨と一緒に肋骨が回り出してしまうことがよくあります。肋骨を中心とした上体が身体の軸に対して、いつも行ったり来たりグルグルと回っているような動きになってしまうのです。 / こうした動きは最悪と言っていいでしょう。 / 何が最悪なのか? 肋骨をグルグル動かしてしまうと、体幹力の要=自由脊椎の格定が総崩れになってしまい、軸がズタズタハチャメチャになってしまうからです。 / そのことの何が悪いのか? ・・後略・・ (第4章 立甲と甲腕回旋力で「歩力・走力」を高める)から〉